老人ホームなどの介護の現場では、主として介助に関わる介護職員が活躍しています。しかし、介護現場には、介護職員以外にも、医師や看護師といった医療従事者のほか、生活相談員や事務職など多職種のスタッフが働いているのです。介護職員は、こうした異業種のスタッフと協力して介護サービスを施さなければなりません。他業種の職員との協力体制を築くためには、様々な職種のスタッフが発信する意見に耳を傾ける必要があります。
他業種の職員は、それぞれの専門領域のスペシャリストであり、介護職は敬意を払って彼等の意見を傾聴する姿勢が欠かせません。他の職種のスタッフを尊重する態度を示さないと、協力体制を構築することは難しいでしょう。介護現場の中心として活躍する介護職員は、様々な職種のスタッフと良好な人間関係を保持し、まとめ役としての役割を果たさなければならないのです。このためには、日頃から他業種のスタッフと交流することが欠かせません。各々の専門分野に関する疑問点があれば、専門家としてのアドバイスを求めるように努めましょう。
特に、多業種のスタッフが集まって意見交換するケアカンファレンスという会議の場では、介護職が自分の意見を主張することに固執せず、他業種のスタッフからできるだけ意見を吸い上げる努力が不可欠です。他業種の専門性の高い意見を尊重しつつ、多職種のスタッフ全体が同一の目標に向かって進めるように舵取りしなければなりません。全体として統一された目標を共有できれば、介護職も働きやすい職場になるでしょう。